ポケごみ UNIちゃん

エネルギー政策について アイキャッチ

2020.10.25(日)

エネルギー政策について

私が考える、日本で一番重要な社会問題は原子力発電を今後どうしていくかだ。
原子力発電は絶対安全と言われ1973年から国内でも開発が進み、2000年代には石油石炭に次ぐ一次エネルギーとなった。原子力発電は少量の燃料で大きなエネルギーが取り出せるため、安定して大量の電力を供給できる。 また燃料の備蓄が可能で、国内でも生産できるエネルギーのため準国産エネルギーとして自給率は高かった。さらに発電時に地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出しないなど様々なメリットから日本だけではなく世界的に需要は増えていった。しかし、福島第一原発事故では広域に放射性物質が拡散し、近隣への立ち入り禁止、農作物や水産物の出荷制限など、環境のみならず、社会的、経済的に甚大な被害をもたらした。だが、現在も原子力発電所は存在し、エネルギーを供給し続けている。福島第一原発の事故のあと、新しい原発基準のもとでこれまでに合わせて5原発9基が再稼働した一方、福島第一原発を除き、多額の安全対策費用などを理由に廃炉が決まったり、廃炉を検討したりしている原発は8原発15基にのぼっている。
原発事故が起きた時、セキュリティは厳重だったと多くの科学者が評価している。しかし、今回の件で絶対安全な保証はどこにもないことが分かった。また、発電を終えた使用済み燃料の再処理に伴って発生する高レベル放射性廃棄物の課題も残っている。高レベル放射線物質は、300mより深い地中に埋没処分することになっている。現在、原子力発電環境整備機構が処分事業を進めようもしているが、事業を受け入れる自治体がおらず、処分地選定は進んでいない。もし仮に処分施設がつくれたとしてもいつ地震が起きるかわらない日本の地層では安全に保管できる保証はない。私は地震大国で災害が多い日本は原子力発電には向いていないと考える。しかし、電力の需要が増加している今、原子力はエネルギー効率が良く国内生産ができるため必要だ。環境に与える影響を考慮すべきか、経済面から低コストな発電を重視すべきか。今後の日本でどう原子力と向き合っていくかは環境面でも経済面でも重要な問題である。私がこの問題が一番重要だと考えるのは、原子力発電がこのままの対策ではまた悲惨な事故が起きるリスクを抱えているからだ。
この問題の根本的な原因には原発事故後、その危険性が明らかになった今でも原子力発電に頼らざるを得ない状況をつくり出した我々にあると私は考える。つまり、私達が便利で快適な生活を守るために
電力への需要が増え続けていることが問題だ。原子力発電に頼らなくても十分に電力が供給できれば再稼働による事故を防ぐことができる。私達はリスクのあるもので補わなくても生活できるよう電気の使い方を改めるべきだ。
そのために必要なのは、省エネ化だ。省エネとは、「省エネルギー」の略で石油や石炭、天然ガスなど、限りあるエネルギー資源がなくなってしまうことを防ぐため、エネルギーを効率よく使うことだ。資源の9割以上を海外に頼る日本はエネルギー政策の転換に迫られ、1979年に省エネ法を制定した。省エネ法は、産業、業務、運輸の各部門においては、エネルギー使用の多い事業者に対して毎年度、省エネルギー対策の取り組み状況やエネルギー消費効率の改善状況の報告義務が課されている。また2015年には建築物省エネ法が制定されるなど省エネルギーの推進施策は日本でも導入されている。しかし、企業だけが省エネ対策をするのではなく家庭でも対策を考えることが必要だ。
例えば、今の季節は家庭でも特にエネルギーを消費する。暑い部屋を涼しくするためにエアコンをつけたり他にも冷蔵庫や洗濯機など生活には様々な家電製品が必要だ。エネルギーを無駄なく、上手に使うための省エネは、ちょっとした工夫をすることで、誰でも簡単に始められる。例えば夏に冷房を使うときは、温度を28℃に設定するようにする。窓から太陽の光が入ると、部屋の温度が上がってしまうため、カーテンを閉めたりすだれを使う。冷たい風を部屋中に届けたい場合は、エアコンの風を強くするのではなく、扇風機を使い空気が循環するように工夫する。またエアコンには、埃やゴミが入らないようにするためフィルターが付いているため、フィルターを小まめに掃除して、空気の流れを良くすることも重要だ。そして、これから冬に暖房を使うときは、20℃以下に設定すると良い。また、冷蔵庫を使う際はまず、中に沢山の物を入れないことが大切だ?沢山の物を冷やすためには、たくさんのエネルギーが必要になる。そして、ムダに開けたりしないことも大切だ。ドアを開けると、冷たい空気が逃げていくため再度冷たくするために、エネルギーを使うことになる。そのほかに、「熱いものは冷ましてから入れる」「風通しのよい場所に置く」「冷たい風の出口をふさがない」ということも大切だ。
このような誰でも簡単にできる工夫で一人一人が電気の使い方を改めれば、電力需要も減っていくのではないか。
私達に必要なのは便利で快適な暮らしをまずは客観的に見つめ直し、省エネ化をすすめていくことだと考える。

中里怜