志賀島 DAY 1 漂着物組成調査

当日の結果報告

開催日

2021.05.04(火)

参加人数

5

拾ったゴミの袋数と可燃 / 不燃の割合

152

開催場所

志賀島 弘と勝馬の中間

志賀島 DAY 1 漂着物組成調査 レポート

今回は 二日間に渡り、漂着物の組成調査を行いました。

調査した場所は福岡県東区の志賀島

島ではありますが 長い年月をかけ砂洲に少しづつ砂が堆積し、やがて本土と島がつながった陸繋島りくけいとう)という珍しい地形となっています。

 

 

志賀島は博多湾と玄界灘に挟まれ、海域を仕切るような位置にあります。

博多湾は福岡最大の都市「福岡市」に囲まれ、市内を流れる大小300もの河川が流れ込んでいます。

一方、玄界灘は対馬暖流の一部であり、プラスチックごみの海洋流出量ワースト上位国から流れ出る漂着物を運んできます。

【参照:WWF 海洋プラスチック問題について】

https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html

 

今回の調査は環境省が行う組成調査のガイドラインに基づき調査を行い、志賀島の現状が日本各地と比較できるよう可視化することを目的とし行います。

 

調査対象する海岸は全長 380m

その一部 50m区間のゴミの量を調査します。

 

まずは距離を計測し、ロードコーンを配置します。

 

 

 

ゴミを各種類ごとに数えなが拾い 重さを量ります。

 

しかし、現地は様々なゴミが折り重なり ひとつのごみで一袋を作っていくには効率が悪くなります。

 

【調査区間の海岸の様子】

 

目ぼしい量に達したら切り上げ、計測と記録を行い調査範囲の外にあるゴミを詰め込んでいくようにしました。

 

ペットボトルなどは表記言語の調査もあるため、一度フレコンバッグに集めて表記言語ごとに振り分けていきます。

 

 

しかし、岩礁帯なうえ長期間清掃されていないことが原因か、ほぼ全部のボトルにラベルが残っていません。

 

手掛かりとなるのはキャップのみです。

 

 

砂を払い、擦れた文字に目を凝らしながら言語ごとに振り分けていきました。

 

この 50m区間を調査し、回収できたゴミの量は

個数 1550個

重量 392.7kg

容量 4037.3kg

*個数は形があるもののみ、スチロールの屑などは数えていない

 

しかし、残念ながら環境省が提唱する「2.5cm以上のゴミをすべて拾う」には遠く及びませんでした。

 

4000L 以上回収してもなお 終わりが見えない

 

 

二日目の朝は 干潮の時間を狙い一晩で漂着したゴミの量を調査します。

(環境省のガイドラインにはない独自調査)

 

 

真新しい漂着物が堆積している範囲を手掛かりに距離を測定します。

 

 

横幅 50m 奥行 10mの範囲を2時間ほどかけすべてのゴミを拾い切りました。

この時感じたことは、さっき通った場所でもまたゴミを発見することが度々ありました。

海藻が多く漂着する季節ではあるものの、海藻とプラスチックとを見分けるのはとても難しく、動物たちが誤飲誤食してしまうのも頷けました。

 

この日は風速 4m さらに、最も潮の動きが穏やかな小潮の日でしたが

 

 

回収したゴミは 総数 291個

そのうちプラスチックは 278個 95%にも及びました。

 

なかでも目を引いたのは

 

 

漁網とブイを繋ぐためのロープ

たった一晩で 47本ものロープが漂着していました。

 

これが意味するものとは…

 

私たちが日常生活で見ることのない海底には たくさんの漁網が沈んでいます

繰り返す波の力によって漁網やブイが煽られ 耐え切れずロープが切れ、海を漂いやがて海岸へとたどり着いたと思われます。

そして、海底に残された漁網はゴミとなるだけではなく、今もなお無作為に海洋動物を捕獲し命を奪っています。

 

たった一晩でこれだけのロープが漂着するには どれだけの漁網が海底に沈んでいるのでしょうか。

想像するだけでも眩暈がします。

 

海岸で拾えるゴミは水に浮かぶ軽いものばかり

どんなに綺麗にしようが根本解決にはなっていません。

 

これからも海岸清掃を続けるとともに 根本的な解決へと導いていくためにさまざまな模索を行っていきたいと思います。

【2021年 5月3日~4日の成果】

もえるごみ 145袋 相当

もえないごみ 7袋

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