非営利型一般社団法人 Silva(シルワ)

春の森林再生指導員 植生調査研修レポート!湘南国際村めぐりの森.Silva森盛りダイアリー 2023年3月25日土曜日 アイキャッチ

2023.04.13(木)

春の森林再生指導員 植生調査研修レポート!湘南国際村めぐりの森.Silva森盛りダイアリー 2023年3月25日土曜日

森づくりのノウハウを実修100%で継承する森林再生指導員認定制度

 森の現場で実際に体験しながらスキルを身に付けていただく贅沢な研修です。目的は、地域のリーダー育成と次世代育成。そのため、学生は、受講料無料の優遇制度を設けています。

現在、約50名が卒業。

春の受講生6名の研修風景をレポートします。

 

 今回のメニューは、植物観察と植生調査。

 元々、植物生態学のはじまりは、生物多様性保全などの観点から確立された訳ではありません。

 そのスタートは、驚くべきことに、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)政権下、1930年代ころに敵国の地理地形を掌握するための軍事目的でした。

 敵国の弱点を暴くために植生を解析する判断を下すほどに植物たちは、環境に呼応して分布域を確立してきました。

 湿性なのか乾燥地なのか、寒冷地なのか標高の高低は、どうか。暖温帯なのか亜熱帯なのか、全て植物の出現を解析すれば、自ずと知ることができます。

 知れば知るほど、植物たちは、雄弁に語りかけてくれるのです。

 

 現在の状況のみならず、何年前に何があったのか、逆に50年後にどうなりたいのか、時間を巻き戻したり、早送りしたりしながら、軌跡の追跡や将来の展望を推し量ることができます。

 

 

※写真は、ウラシマソウ(浦島草、学名: Arisaema urashima)。浦島太郎が釣り糸を垂らしている様に観えることから、命名されたウラシマソウ。サトイモ科テンナンショウ属の多年性草本類。そんな名前で呼ばれていると御本人はご存知でしょうか。適度な日照があれば、林縁から林内まで幅広く着床し、日本の本州・四国を中心に北海道・九州にも一部分布する種です。

 

 森林再生指導員研修生の皆さんには、50年後100年後の植生シナリオ作りに欠かせない植生調査を雨天の中、強行体験いただきました。

 

 植生調査解析による植生シナリオは、病気の方が病院で診察した時の観察結果をもとに処方箋を受け取るのと同じで、自然界の緑を回復させるための処方箋となります。

 つまり、シルワは、病んだ緑を回復させる緑専門のお医者さんです。そして、森に限らず、海岸から河川・平野部~山岳まで、あらゆるシーンの植生に処方箋の対応ができます。

 先ずは、現状を把握する。そして、処方箋に従って、次のステップを考察する。そんな植物たちとの関係性を研修生には、体験を通じて学んでいただきました。