ジュンイチワタリ

里海~SATOUMI~① アイキャッチ

2017.11.03(金)

里海~SATOUMI~①

https://www.env.go.jp/water/heisa/satoumi/13.html

↑環境省HP 里海ネットURL

 

前回のブログで告知しましたとおり、今回は『里海』についてお話しを展開していきたいと思います。

 

里海??初めて聞いたって方が多いかも?

 

皆さん、『里山』という言葉はご存知かと思います。

 

田園や手入れされた雑木林、畑地などからなる人と自然が相互に関わり合い、豊かな生態系が育まれた土地。そのような土地を里山と呼びます。

 

そして人は里山から多くの恵みを授かる。

人間と自然の持ちつ持たれつの関係。

自分が幼い頃に、田んぼでドジョウを捕まえたり、小川でハヤやサワガニを捕まえて飼育した環境はまさに里山でした。

シオカラトンボが飛び、そのヤゴがいて、夜はカエルの大合唱という。

ハイ、神奈川の田舎育ちです(笑)


 

『里海』とは。

上に記した『里山』の沿岸版です。

 

里海の定義は・・”人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域”​​​​​(※しかし、里海の定義、概念は必ずしも統一されたものではなく、各地域、団体で異なった定義や思いがある)を指します。

 

そして『里海』は、すでに学術用語として確立しています。

 

“SATOUMI” と海外でも認知され急速に広がり、海洋資源の枯渇や汚染の問題を抱える世界中の身近な海の解決策となっています。

 

また、里海は古くから水産・流通をはじめ、土地の文化と交流を支えてきた大切な海域。

 

 

そして、人の手で陸域と沿岸海域が一体的に総合管理されることによって、物質の循環が保たれます。

結果、豊かで多様な生態系と自然環境が自分たちに多くの恵みを与えてくれるということです。

 

この貴重な財産を次世代に継承するため、より多くの人が環となって維持しなければなりません。

 

自分が9月に受験したビオトープ施工管理士資格は、まさにこの事を現場で行うスペシャリスト。

 

自然の保護、維持管理はニンゲンで例えると人間ドック。

 

異常がないか観察して、何か見つかればカルテを記す。

そして治療を施し経過観察する。

環境問題に取り組む皆さんは、自然という「患者さん」の主治医と言っても過言ではありません。

 

だから、しっかり向き合い柔軟に問題解決する必要があります。

 

自然環境は予期せぬ動きを繰り返して、変化するものです。

身近なところで、自宅の屋外にあるメダカ水槽でも、いきなり線虫が出現したり、水草の大繁殖など予期せぬ変化の繰り返しが・・(笑)

 

治療にあたり着手する海域の立地特性・生態系について、時間の余裕を持って掴むことが大切。

そして結果、その海域が目指す方向性が見えてきます。

 

現場では、生き物への優しいまなざしが重要となります。

このまなざしこそが、技術者としてのモラルであり、職能。テクニックよりモラル。

これらはビオトープ施工管理士の勉強で得た心構え!

 

さかなヲタクに育て上げてくれた江ノ島海岸をより良い海域になるように

切磋琢磨したいです。

 

里海についてはまだまだ話がしたいので、つづく・・!