BLUE SHIP とは
2017.12.02(土)
リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ
リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ。
呪文じゃないですよ!海産の種子植物、アマモのまたの名前です。
「竜宮の乙姫のもと結いの切り外し」
昔の人は浜辺に打ち上げられたアマモを乙姫さまの髪止めに例えたんですかね?
ロマンチック‼
てなわけで、去る12月2日。
葉山にある鹿島技術研究所葉山水域 環境実験場にて
アマモの種を植え付けに行ってきました!
↑アマモ。
写真やイラストでしか見たことなかったのですが、本物を見て何か既視感を感じました。
「バリスネリア」
熱帯魚や金魚など飼育経験がある人ならわかるはず!
淡水の水草!
分類が好きな自分はアマモとバリスネリアの分類的位置を調べてみました。
やはり親戚でした!同じオモダカ目。
オモダカもバリスネリアもランナー(地下茎)で増えるんですが、
アマモもランナーで増えると説明がありました。
うちの金魚槽。
上部真ん中あたりに植わってるのがバリスネリア。
アマモっぽいでしょ?(笑)ちなみに右で水上に茎を出しているのがオモダカ。
海産のアマモが親近感湧くのは言うまでもなく。
どこかの進化の過程で、海の中の生態的地位(ニッチ)に空きがあって、
一度陸域に上がったアマモのご先祖が、海に帰ったんでしょうか。
ワクワクしますね!
NPO法人海さくら代表の古澤さんがおっしゃっていた通り、
アマモを育て上げて海に返すということには細心の注意が必要。
どこからやってきたか不明のアマモを江ノ島沿岸に移植するのはNGなのです。
ビオトープ施行管理士の資格勉強で学びましたが、
同じ種でも地域的遺伝特性があります。
メダカが良い例です。
日本のメダカはキタノメダカとミナミメダカに分けられ、さらにミナミメダカでも遺伝子の違いから地域で異なるのです。
藤沢メダカをご存知ですか?
境川水系に分布するミナミメダカです。
「藤沢メダカの学校をつくる会」という団体が市民や学者と連携して
藤沢メダカの保護と繁殖、研究を積極的に行い、紹介、教育などの啓蒙活動をしています。
アマモも同じ。
江ノ島に遠く瀬戸内海産のアマモを移植しては不自然な幻想郷でしかならないのです。
それはエコではなくエゴ。
今回種を植え付けたアマモは江ノ島から程近い逗子から採取されたアマモの種とのことです。
これはとても大切なこと。
遺伝子レベルまでの落とし込み無しで環境の維持保全はあり得ないのです。
アマモは何故、その数を減らしたのか?
護岸の工事などの開発や水質の汚染ももちろんのことですが、
鹿島技術研究所葉山水域 環境実験場の研究者さんのお話で
「海水温度の上昇」「台風の経路速度の変化」も考えられる要因とおっしゃっていました。
地球温暖化が問題化していますが、アマモにもやはり影響があったのですね。
海のゆりかごであり、酸素の供給、水質の浄化作用、土壌も浄化するアマモ。
より生物多様性の豊かな、
にぎやかできれいな江ノ島沿岸域を形成するにはヒーローでしかない!
アマモを取り戻したい!
海から地球温暖化の進行も止められる!
やるっきゃない!!
そして種を撒いたのです。
種まき!‼
紙製のコーヒーフィルターみたいなポットに川砂、バーク、カキ殻を混ぜた土を入れて海水を含ませます。
ピンセットで1ポットあたり15粒ほどアマモの種を撒きます。
砂を被せて、
水中に沈め
発芽を待つ!
12月に種を撒いたので、4月には15cmほどの苗になるそうです★
102ポット×15粒=1530苗くらい!?
頑張って沢山芽を出してね!
1000株の苗が育てば合格ライン。
きっと大丈夫!
参加した皆さんのやさしい気持ちがアマモに伝わってるはずだから。
未来を生きる子ども達のために。
では!LOVE NATURE